幻夜に問う (詩)

幻夜に問う 作詩:正気


朽ちかけの部屋で

朽ちかけの心

わずかへ またすがり

朽ち果てた異国の虚像 

真実を削がれた夜


見えぬ淘汰 司る頂に

誰にも聞こえぬ叫び

ただこの心守る為だけの


星も消え 望み消え

器の上で測られる命のひとつのまま


終わりまでの時間を

まだ足掻くのか


意味などとうに置き去って

意味などとうに奪われて


静かな滅びの底で

まだこの息の根の残骸を

 

ひしゃげた身体で

窪んだ眼で

壊れた耳で

醜い偽笑で


震えながら無為だろうと探す

それしか もうここに居る理由は無い


幻夜に問う

幻夜に問う

幻夜に問う

幻夜に問う


哀れで哀しい骸

そこに晒されているのは私