シジマに還るまで

静寂に還るまで


枯れゆく部屋の片隅の

パキラをただ呆然と目に写してる


社会への真実の糾弾を

スマホでただ呆然と目に写してる


変わりゆく機械の時代の

片隅で その変容を目に写している

 


目も耳も 聞こえてる

なのに 何もない暗闇にいる


そんな世界の果ての部屋

 

 

父の面影をすれ違う 人に見る

知らぬ母の温もりを そばにいる

君に求めてる

 

雨はずっと降り続くけれど

傘とコートを羽織っていまは

あてなんて呼べるかわからない

あの丘へと勝手に歩いてるんだ

 


砂丘の大地を ゴミまみれの大地を

毒に侵された大地を 悲観が飽和する大地を

 


この目は写して この目はいまも写している

 

人はもういらないと誰かが言った

ならお前もいらないみたいだね

 

虚無でいい 無意味でいい

善悪も捨てた 思い出も捨てた

 


残った、たよりない鼓動

それが静寂に還るまで

僕はそっと詩を綴りながら

口ずさみながら

矛盾の理想へ 向かっていく

 


誰も知らなくても

忘れ去れたとしても

 


それでいいんだ 僕の勝手さ

 

僕はヒトで在り続けるから